皆さまは、ウコギという植物はご存知ですか?
ウコギ科ウコギ属の、冬に葉を落とす落葉低木です。
ウコギ科の仲間には、お馴染みの山菜、タラノキ・ウド・コシアブラ・朝鮮人参などがあります。
ウコギはトゲがあるため、私の地元、山形県米沢市では昔から家を囲う防犯の生垣として利用し、葉は飢饉による非常食としての役割がありました。
実家にもウコギの生垣がありました。
ご飯時に、母が勝手口から出て春の若葉を摘み、天ぷらなどに。
今も春の味としての食文化があります^^
地元を離れた同士でも「ああ、ウコギね!」とすぐに話題にできる、ふるさとの和ハーブです。
ウコギは日本各地にあるヤマウコギ、北海道やシベリアにあるエゾウコギ、他にも地域によっていくつか種類があります。
生垣に利用しているのは、奈良時代に渡来してきた中国原産のヒメウコギです。
4月半ば、若葉の出始め。ご近所さんの生垣にて。
ちょこっといただきました^^
ヒメウコギはヤマウコギよりも苦みが少なく、若葉を食するのに利用しやすいです。
この生垣を、昔のままに残している地域があります。
米沢駅より南にあります、芳泉町生垣・町並み保存地域です。
茅葺き屋根の家も残る町。
写真に写る石垣は、約400年前に作られた当時のままです。
近くを流れる松川(最上川)の氾濫から人と町を守るため、石垣を組むことで水の浸入を防いできました。
ヒメウコギも、枯れて植え直した場所もありますが、当時からのものがほとんどだそうです。
石も植物も、そして繋いできた人たちも、スゴいな。あらためて感じます。
保存活動は、住民の皆さまが季節ごとに生垣の手入れ作業をされています。
今回、私も春の手入れ作業に参加してきました。
参加したいことを伝え、快く迎えてくださった会長さんはじめ町内の皆さまに感謝です。
支柱交換作業。ヒメウコギは枝が広がるので、しっかりと固定します。
春の作業は4月の2日間行われ、生垣根元への土の補充や施肥、支柱の補修です。
今回の冬は雪が少なかったため、激しく痛んでいる箇所も少なかったそうです。
今回参加するきっかけとなったのが、昨年夏から約半年間学んだ、和ハーブフォークロア講座でした。
「フォークロア(folklore)」とは、
日本語で「民間伝承、民俗(学)」の意味として、日本の有用植物文化の掘り起こしと伝承を考える講座です。
受講する中でひとつ植物を選び、その植物と文化を調べる機会があり、私が選んだのが「ヒメウコギ」でした。
生まれた時から生垣として当たり前にあって、もはや空気のような存在だったウコギ。
記憶にはあっても、足もとにある宝ものとして意識してはいませんでした。
地元を離れて懐かしさを感じたり、
私もあの頃の母と同じ年齢になってきた今だから気がつくことも多いですよね。
そして、地域や食文化を知る母たち先輩からいろいろ話しを聞けるのも今だし、
春が来た喜びや豊かさを一緒に感じられるのも今。
次の生垣・町並み保存の手入れ作業は夏です。
お盆前、もっさもさに伸びた葉をスッキリと刈り込む作業。もちろん参加です^^
福島との境にある西吾妻山。
写真のちょうど真ん中の上側に「白馬の騎士」という名の雪形があります。
左を向いた馬に、剣を槍をもって乗っている騎士の姿に見えませんか?
天元台スキー場のゲレンデなのですが、春になってまわりの雪がとけ、くっきりと雪形となっています。
春に帰省して見るたびに、春だなあ~と感じる風景です^^