こんにちは。
前回掲載しました一枚、偕楽園で見たいくつかの梅の花を描いた『梅の花 いろいろ』
その絵の真ん中にある梅は、「てっけん梅」という名の梅です。
まわりの梅たちは花びら広げている中、このてっけん梅は花びらを出さない梅。
てっけん→「酈懸」という難しい字で、由来は中国の地名とのことです。
娘と見たとき「えっ!? 名札に花弁退化って書いてある!」とびっくりしまして。
私たち、初めて出会う梅でした。
あの~、花びらなくて、いいんですか。。?
花びらの役割は、
受粉の手伝いをしてもらう昆虫を引きつけるため、雄しべ雌しべを守るため、などがあります。
梅は、まだ昆虫たちが動き出す前の早春に開花します。
そのため、受粉のお手伝いを担うのは鳥たち。梅は虫媒花でもありますが、鳥媒花。
てっけん梅、しべ部分がしっかりとしていて、地味だけど、力強い印象でした。
花びらを目印にしなくてもよい鳥仕様で、花びらを出す力を使わない作戦?
でも、てっけん梅は全く花びらを出さない。というわけでもなく、気温が高いと花びらを出すこともあるそうです。
自分を取り巻く環境や、虫や鳥たちの動き、自分自身の体力に応じて変化しているのでしょうか。
てっけん梅を知っていくなかで、「退化ではなく、進化なのでは」と記している方もいました。
私もそう思いました!
長い年月をかけて、自分の強みを引き立たせて、そこに力を注ぐような。
植物たちの生きる力、素晴らしいなぁ。
じわじわと感動しながらの、今日の一枚でした。